氷河期ッズの東大受験チャレンジ

氷河期ッズの東大受験チャレンジ

就職氷河期世代とは、1991年にバブルが崩壊して2年後、日本がドン底に陥った時代に就職活動または受験勉強をしなければいけなかった世代のことで、1993年〜2005年の間に18歳から22歳くらいだった人たちのことを指します。

この時代の有効求人倍率はずっと「1」を下回り、大学を出ていようがなかなか就職できない世相でした。そして悪夢のような小泉政権が誕生し、日本に追い打ちをかけて、自民党ではなく国をぶっ壊してしまったのでした。

私ももれなく、この世代にハマり込んでいました。二流大学しか入れなかった私は、なんとか誰もが知っている会社には入れたものの、あっけなく落とされたPanasonicやソニー・ミュージックや最終面接まで行ったビ◯ターでばりばり活躍する夢にうなされるという毎日でした。

いま、その世代の年齢がぐっと上がってきて、気付けば大変なことになっています。バリバリの働き盛りの年齢層に、正規雇用が少なく不安定な派遣社員・契約社員が考えられない割合で存在し、それどころか引きこもりの数が半端ないというデータも出ています。

私たち就職氷河期世代は社会のお荷物なのでしょうか。そんなことはないはずです。人口ピラミッドで言えばとても数の多い世代です。受験勉強は戦争でした。就職活動は地獄でした。そんな悲惨な状況から今日まで生きてきた私たちに、なぜ政府や社会までもが冷たい目で見るのでしょうか。

日本には「ひのえうま」という言い伝えがありました。この年に生まれた女は男を食ってしまうような性格になるという単なる言い伝え、風習です。ところが、戦後最初のひのえうまがやって来た時(4回に1度やってくる午年)、迷信だと思われていた「ひのえうま」が日本人の心の中で生きていたことが発覚しました。

1966年、昭和41年の人口ピラミッドを社会の時間に見たことはありますよね。その年だけ突如、極端に人口が少なくなっています。これがひのえうま。人々はこの年に子どもを産むことを避けただけではなく、せっかく出来た子どもを流してしまったという逸話もあります。

その後起こった第二次ベビーブームは、ひのえうまから一段落した女性たちが「さあ産もう」という気持ちに切り替わることによって、人口が爆発した……というひとつの学問としての見方があります。ひのえうまで誕生できなかった命は、第二次ベビーブーム世代に託されている…ということが言えるのではないかと。

しかし、もしそうであったとしても、当の本人たちには何一つ抗えないことであります。親を選べないように、子どもは自分がいつ産まれるかということを選択できません。それは就職氷河期世代にも、まったく同じことが言えます。彼らが児童や学生であった時、日本はバブルでした。毎日を楽しそうに謳歌する大人たちを見て、自分たちも社会に出ればあんなに楽しい毎日が待っているんだ! と、大人になることにワクワクしていたはすなのです。

その後、いろいろあって、編集者になり、15年の時が過ぎました。楽しかった仕事に夢中になり、つい自分の生涯設計を怠ってしまっていましたが、2015年に思うところあって会社を辞めて起業してからふと思ったのです。

心の何処かに仕舞いこんで忘れていた「またいつか、大学で勉強したい」という思い。あの受験戦争で完全に疲弊してしまった自分にまた「勉強したい」という気持ちが蘇ってきたのです。

もちろん、もう人生を大幅に変えることは難しいでしょう。今さら大学に行っても、弁護士になれるわけではなし、医者にもなれるわけはありません。こんな老眼が始まりかけている新人の医者に誰が診てもらおうと思いますか。逆の立場だったら絶対に嫌です。

しかし、おっさんには、おっさんの意地があります。このまま朽ちていくわけにはいきません。私の心の中にある「受験に失敗してしまった…」「就職活動がうまくいかなった…」という気持ちを昇華させないと、安らかに死ねない気がするのです。

正直、仕事はがっつりとやってきたので「就職活動がうまくいかなった…」という思いは、いつしか消えてしまいました。別カテゴリーでもやりますが、私は小さな会社を起こしました。全く知らなかったことをここ数年で吸収してからは、「なーーーんだ、サラリーマンなんて早く辞めるべきだった」と気付いたのです。これはこれでブログにして行こうと考えています。

「受験に失敗してしまった…」という思いは、なかなか消えませんでした。世の中に出て、出身校を聞かれたことなんて滅多にないし、大学名で何か損をしたことも一度もありません。要するに、自分の中の問題というだけなのです。あの時、なんでもう少し頑張れなかったのか。どうしてもっと効率よく勉強しなかったのか。その答え合わせをするためのチャレンジとなります。

今回は、結果は重要ではありません。受かるかもしれないし、受からないかもしれない。でもどうせ受験するなら一番すごい大学を目指そうじゃないかという単純な意気込みでやっていきます。もちろん、万が一受かるようなことがあれば、仕事しながらでも4年間きっちりと行きます。

目指す大学は、東京大学。

元サラリーマンのおっさんが、いま受験勉強をしたら一体どこまで頑張れるのか。あの頃と違って、今はパソコンやスマホがあります。これらもガンガン活用して勉強を進めていきたいと思っています。

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